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平成16年度 異業種転換啓発事業  先進地事業視察実施報告


は じ め に

 この度の視察研修は当機構、4事業の1つ、“異業種転換啓発事業・先進地事業視察”として、建設業及び関係者、総員24名で、平成16年10月6日〜7日の2日間で実施いたしました。
 視察先選定にあたり、新分野進出の事業事例が充分に参考になるような企業であること、企業にとって都市環境が当県と出来るだけ類似していること、ある程度遠隔であること、(新分野進出という特殊な理由により、近隣地域では視察の受け入れが困難であるため)以上3点に留意しながら、滋賀県の2企業“株式会社北川建設” “滋賀建機株式会社”を選定いたしました。
 昨今の景気は、鉄鋼、その他、数少ない業種の業績によって、日本全体では景気が上向いたとされていますが、当地方では数字の上でも、体感的にも景気の上昇の足音はきくことができません。
 このような厳しい経営環境のもと、ことのほか公共事業に依存度の高かった当県では、国、地方の公共事業削減のため、建設業では多大なダメージを受けています。
 この現況にかんがみ、今回の視察は建設業の雇用の維持、創出を支援すべく、建設業に限定して実施いたしました。
 この度の視察研修結果をまとめましたので、今回視察に参加されなかった企業の皆様方にお届けいたします。
 現下の厳しい企業環境のもと、今後の新分野進出に向けての企業活動の検討資料として、有効にご活用いただけることを願っています。
 最後に、この視察実施にあたり、島根県建設業協会、及びご参加をいただきました皆様方には多大なご協力をいただき、成功裏に視察研修が終了いたしましたことを衷心より厚くお礼を申し上げます。

平成16年10月  島根県地域労使就職支援機構


1.先進地事業視察概要

 実施の目的
 ながびく不況の下では、全業種の企業が、新分野進出に極めて高い関心をよせています。
 そこで、長期的視点に立って雇用を少しでも好転させるために、新分野進出を視野にいれた、先進地事業視察を企画いたしました。
 この度は、国の補助金等に係る政策の変更に伴う公共事業削減の流れの中で、県下で最も厳しい経営環境におかれている建設業にスポットをあて、実施することといたしました。

 実施年月日
 平成16年10月6日(水)〜7日(木)の2日間

 視察参加者等
・建設業協会会員
19
・当機構運営委員
3
・当機構職員
2
   合   計
24

2.視察先企業紹介
株式会社北川建設
会社概要
●住所 〒524-0013
  滋賀県守山市下之郷町402番地
●TEL 077-582-2119
●FAX 077-583-6688
●URL http://www.k-kitagawa.co.jp/
●創業 昭和43年4月
●資本金 5,000万円
●登録 滋賀県知事許可(特・般-14)20216
●代表者 代表取締役社長 北川恭司
●従業員数 68人
●事業内容 総合建設、戸建住宅、住宅リフォーム、介護サービスの各事業、その他暮らしに関する商品群の企画開発並びに販売を行う。
事業概要

「訪問介護・居宅介護住宅改修・デイサービスなど介護ビジネスへの参入」

 北川建設は訪問介護、訪問入浴サービス、バリアフリー住宅の建築や改装、増改築など、社がもてるさまざまな能力や事業とリンクさせる新しい活動を進めている。
 介護サービス「あいむ」は、民間在宅介護という特長を生かし、地域に根ざしたフレキシブルなサービスの提供とお客様の立場にたった柔軟な心配りが出来る介護を目指し、365日24時間体制で「私の受けたい介護」をコンセプトに、介護だけにとどまらない暮らし方の提案まで行っています。
 事業内容としては、
 1.訪問介護サービス(家事援助・身体介護)
 2.訪問入浴サービス
 3.居宅介護住宅改修相談サービス(介護リフォーム)
 上記を、ケアマネージャー、看護師、ヘルパーなどの専門の資格と知識をもったスタッフによる、適切で温かなサービスを提供していく。
 また、平成14年8月よりデイサービス「あいむ」を開設し、通所介護事業にも本格参入し、より地域に根ざした介護サービスの確立をめざしている。当該デイサービスセンターの上階は、高齢者向け優良賃貸マンションとなっており、入居されている高齢者の皆様に「安全と安心」の付加価値も提供している。
 介護事業から得た事例、ノウハウを建物づくりに生かし「すべての人にとってやさしい建築」を心がけ、常にソフトとハードの調和のとれた「暮らしの提案」をめざしています。
 又、北川社長は社外にあっては、滋賀の建設業に対し、また建設業界から滋賀県民に対して、あらゆるものを提案や発信していくため組織された滋賀県建設業青年会議の代表幹事として、社業はもとより、建設業全体のよりよき発展の為に活躍されております。


滋賀建機株式会社
会社概要
●住所 〒529-1222
  滋賀県愛知郡泰荘町八木92
●TEL 0749-37-3281
●FAX 0749-37-2232
●URL http://www.sk-grp.co.jp/
●創業 昭和46年4月
●資本金 7,500万円
●登録 滋賀県知事許可(般-13)51598
●代表者 代表取締役社長 蔭山明夫
●従業員数 71人
●事業内容 重機レンタル
事業概要

「バイオと太陽光発電で環境ビジネスに挑戦」

 滋賀建機(株)は、重機レンタル事業に関しては、滋賀県下のトップ企業である。また、経営の多角化にも積極的で、グループ会社では、基礎工事、運送、ビジネスホテル、ゴルフ練習場、カラオケルームなどを展開している。
 環境ビジネスもこうした多角化の延長線上にあり、環境ビジネスを始めるに当たっては、環境部を社内に創設し、社員を環境等の研究会に派遣して勉強させている。
 蔭山会長が掲げる環境商品開発のコンセプトが「中小企業に出来て、中小企業(または個人)が買える商品」というものであり、このコンセプトのもと、環境部では次のような商品を開発した。
 1.バクテリアを活用した浄化装置
  (1)エコトイレ:八ヶ岳、谷川岳等の山小屋に設置した汚泥減量型トイレ
  (2)排水浄化装置:小規模食品会社、給食会社向けの浄化装置
  (3)生ゴミ処理装置:生ゴミを水と炭酸ガスに完全に分離処理し、廃棄物をゼロにする装置
  (4)汚泥減量装置:下水道がまだ敷設されていない農村集落向けの汚泥、排水処理装置
 これらの研究開発は、業務提携やバイオの専門家や企業、学者、行政機関との産学官協同作業で行われた部分も多い。又、これらの事業は、滋賀県から「中小企業の創造的事業活動を促進する研究開発等事業計画」として認定されている。
 2.太陽光発電装置
 発電時に炭酸ガスを発生せず、地球温暖化の抑制に貢献するこの装置をシャープ(株)の代理店として扱っている。又、オール電化工事やリフォーム工事なども併せて請け負っている。
 現時点では環境部の売上高、利益はそれほど多くはない。しかし、つい先日、10月2日・3日に開催された、「太陽光発電&オール電化」の商談会では、130件のひきあいがあり、44件の成約と33件の商談中の成果に見られるとおり、需要は拡大しつつあり、行政の注目度も高くなっているので、近い将来、重機レンタル事業に並ぶ事業に発展するものと期待されている。
 又、蔭山会長は社外にあっては、良い会社、良い経営者、良い経営環境をめざす団体「中小企業家同友会」の滋賀県・筆頭代表理事として、自社はもとより、滋賀県下の中小企業のよりよき発展の為に精力的に活動されております。



3.視察研修内容

 株式会社北川建設

 新分野への取組みのテーマ
 和やかな暮らしのもと、高齢者社会に対応して、〈訪問介護〉〈デイサービス〉などの介護支援事業と、バリヤフリー住宅の〈建築〉や〈リフォーム〉などの建築事業をリンクさせた生活支援事業をすすめている。

 当該取組みの内容
 訪問介護サービス(家事援助、身体介護)・訪問入浴サービス・居宅介護住宅改善相談サービス(住宅リフォーム)等を、ケアマネージャー、看護師、ヘルパーなどの専門の資格と知識をもったスタッフによる適切で温かなサービスを提供している。
 又、平成14年8月よりデイザービス「あいむ(愛夢)」を開設し、通所介護事業にも本格参入し、より地域に根ざしたカイゴサービスの確立をめざしている。この施設は上階が高齢者向け優良賃貸マンションとなっており、入居している高齢者に対し「安全と安心」の付加価値も提供している。
 又、介護事業から得た事例・ノウハウを建物づくりに生かし「すべての人にとってやさしい建築」を心がけ、常にソフトとハードの調和のとれた「暮らしの提案」を目指している。

 当該取組みとの出会い又はアイデア発案の契機
 今まで通り公共建設事業に依存していては、会社の将来が危ないと云う危機感は、すでに平成6年に社長に就任して以来ずともっていた。そんな中で「これからの建設市場は医療や看護分野の建築に在り」とする介護施設のトータルコンサルタントのセミナーや、高齢者向け優良賃貸集合住宅(高優賃)の建設に関わる申請の過程などを通して、在宅介護と住宅建設は無縁であり得なく、建設業として提供する暮らしのハードと、その中で行われる在宅介護の暮らしのソフトとは両者密接な関係にある。生活創造産業の一環として在宅介護サービスも提供することは、企業の自然な多角化に繋がることに気づいたのが契機となった。

 事業化までに至る間で苦心したこと、及び成功の要因
 介護事業に参入すると決心するに至り、周囲の声が大変であった。
 ・建築屋さんが何故介護事業なの?とする地元、業界からの疑問の声。
 ・社内では、建築業を廃業又は縮小するのか、と云う不安の声。等等
 しかし何度もよく話し合い、介護から入って生活支援の在り方を会得し、さらにそのノウハウを建築に取り入れ、結局は建築に戻ると云う理念が理解されこの事業がスタートできた。
 一応うまく立ち上がれたのは、顧客サービスによる顧客満足が直に伝わってくる反応の早さから、従業員一同サービスの根元がわかってきたことが大きな要因であった。

 相談・助言、情報収集の相手先
 ・介護関係のコンサルタント
 ・民間の介護団体

 当該取組みの主たる顧客
 ・ほとんどが施設から半径2km以内の地域住民。

 当該取組みの差別化等のポイント
 ・従来の医療や介護分野の、ともすれば「やってやってる」の姿が見え隠れする形ではなく、利用者を「お客さま」と呼び、顧客サービス・顧客満足の理念に徹して事業展開。
 ・画一的サービスではなく、個人個人に向いた個別のサービスを追求。
 ・通常のデイサービスは日曜・祭日は休業であるが、北川建設は土・日・祭日もサービスを提供。
 ・介護を通じて、高齢者住宅のさまざまな相談に応じている。

 当該取組みの資金調達法
 ・融資関係
   公:雇用・新規事業助成金の利用(雇用・能力開発機構)
   私:市中銀行

 当該取組みの大きな成果
 ・建設業一本からの脱皮が図れた。
 ・住宅建築に関しては介護支援を通じてさまざまなノウハウが得られた。
 ・介護支援事業を通じて住宅部門、リフォーム部門の受注につながるケースが増加した。
 ・平成15年から公共事業から一切手を引く決心がついた。

 公的助成・支援制度の活用状況・及び要望
 ・さまざまな助成や支援制度のPRを活発化し、周知徹底を図って欲しい。
 ・制度の見直し、例えば介護保険での住宅改善(限度額20万円)は、いったん利用者が工事業者に支払った後、請求を出して介護保険から費用を払い戻してもらうシステムになっている。しかし、低所得者にはいったん立て替える20万円が支払えない人も多い・合法的に業者が肩代わりできる施策なども必要。

 今後の課題と解決方法
 現在の通所介護のほとんどは人里離れた所に立地している。しかし、人と人との交流により、より効果的な介護が可能になるはずであり、この観点から街中に小規模な施設・歩いて行ける通所施設を数多く設置すると云った提案を行っていきたい。

 
 滋賀建機株式会社
 新分野への取組みのテーマ
 環境ビジネスを目指して、山岳トイレの水洗化と食品会社の浄化設備、生ごみ処理施設に進出と発電時に炭酸ガスを発生せず、地球温暖化の抑制 に貢献する太陽光発電及び関わるオール電化工事の分野に進出。

 当該取組みの内容
 下記内容の環境ビジネスを立ち上げた。
  1.山岳トイレシステム
  2.食品会社の生ごみ処理と浄化設備、汚泥減量装置の開発
  3.太陽光発電システムとオール電化設備

 当該取組みとの出会い又はアイデア発案の契機
 ・山岳トイレ及び食品会社の浄化設備(汚泥減量装置)については長野県のアルファーワークスという会社が開発をした汚泥減量装置を付随した技術とJVを締結し、滋賀建機の営業力をもって、販路拡大に取り組んだ。
 ・太陽光発電については2年前にシャープからの代理店募集の説明会があり、それを契機に太陽光事業部を新設した。

 事業化までに至る間で苦心したこと、及び成功の要因
 ・JVを組んだ長野県の会社の経営者と企業理念が異なり、滋賀建機の社員とJV相手の企業との意志の統一ができなかったこと。
 ・成功の要因・・・雇用満足度の高い対応の出来る社員の養成と併せて、目的意識が企業として一つになり、労使の信頼関係を構築したこと。

 相談・助言、情報収集の相手先
 ・滋賀県産業支援センター。
 ・日本環境整備教育センター。

 当該取組みの主たる顧客
 ・1、2については山小屋のオーナー・食品会社。
 ・3については個人顧客。

 当該取組みの差別化等のポイント
 ・1、2については汚泥減量装置による余剰汚泥の減量化。
 ・3については滋賀建機グループ企業社員による販路拡大策。

 当該取組みの資金調達法
 ・1と2については滋賀県の中小企業創造法認定企業として地方銀行から融資をうけた。

 当該取組みの大きな成果
 ・太陽光発電事業は5名体制に増員し、展示場等も増設して多大な成果をあげている。
 ・山岳トイレと浄化設備、生ごみ処理については、JV相手と理念上の違いから、JV解消した。(被害が少なく、早い時点で事業から撤退したこと)

 公的助成・支援制度の活用状況・及び要望
 ・太陽光についてはNPO法人を設立して、公的機関との連携を強化した。

 今後の課題と解決方法
 ・相手企業頼みにおける失敗の経験を生かす。
 ・環境問題に取り組む県との協同事業にすること。
 ・NPO法人の活用。

 

4.視察研修についてのアンケート結果
 このアンケートは平成16年10月6日から7日にかけて当機構が主催した先進地事業視察の参加者を対象とし、無記名形式で行った。参加者19名のうち、17件(17事業所)の回答が寄せられ、回答率は89.5%であった。
1.各事業所の現状について
 Q1.各事業所の従業員数(パート、季節雇用者等含む)
従業員数
件数
10人未満
1
5.9
10〜29人
1
5.9
30〜49人
7
41.1
50〜99人
5
29.4
100〜149人
1
5.9
500人以上
2
11.8
合  計
17
100.0
 Q2.新分野進出についての対応
新分野進出についての対応
件数
進出済
5
29.5
実行段階(計画済)
3
17.6
検討中
9
52.9
考えていない
0
0.0
合  計
17
100.0

 参加いただいた、全ての事業所が検討中を含め新分野進出に対応している。選択肢の「考えていない」は0%であった。異業種転換に関する視察の参加者であるだけに、核事業所の新分野進出についての感心はかなり高い。
 参考までに、新分野進出についての対応を従業員数別に集計したものが下記の図である。
 サンプル数が少ない為にはっきりとは言えないが、今回の調査では従業員の人数が多い事業所ほど新分野進出への対応が進んでいる傾向があった。
 Q3.進出分野の種類と具体的な取り組み 
新分野の種類
件数
具体的な取り組み
農業分野
5
野菜作り(2件)、畜産、観光農園経営、農産加工品開発
林業分野
0
水産分野
2
定置網
環境・リサイクル分野
5
産業処理(2件)、堆肥
介護・福祉分野
5
グループホーム(2件)、デイサービス、特別養護老人ホーム
建設関連分野
5
道路工事での交通誘導関係、リフォーム、ビル管理業務、新工法の計画
 I T分野
0
その他の分野(風力発電、葬祭用花環、テクノバイオロジー、レジャー施設、小売 ほか)
5
小売(洋菓子、花の販売)、鶏・鳩を飼育(糞を肥料として活用)
合  計
27

※複数回答のため、各選択肢の件数の合計は対象件数を上回る

 今回の結果では、農業分野、環境・リサイクル分野、介護・福祉分野、建設関連分野が各5件(18.5%)と最も多く票を集め、続いて、水産分野が2件(7.4%)という結果であった。その他の分野については、風力発電、葬祭用花環、テクノバイオロジー、レジャー施設、小売などが挙げられた。
 具体的な取組みについては、「農業分野」で野菜作り、「環境・リサイクル分野」で産業処理(中間処理)、「介護・福祉分野」でグループホームをそれぞれ2件挙げている。

 Q4.新分野進出をしない理由
  ※Q2で「考えていない」を選択した事業所がなかったので、省かせて頂きます。

2.今回の視察について
 Q1.気付いたこと、感じたことなどの感想
●北川建設
感   想
件数
熱意・意欲・前向きな姿勢
8
34.8
人材育成・教育、人材への配慮
3
13.0
経営手法の良さ
6
26.1
独自性・独特の視点
1
4.4
確実な計画性
4
17.3
失敗に負けない精神力
0
0.0
ハイコストに対する危惧
0
0.0
地域性の考慮
0
0.0
その他
1
4.4
合  計
23
100.0
※複数回答のため、各選択肢の件数の合計は対象件数を上回る
●滋賀建機
感   想
件数
熱意・意欲・前向きな姿勢
6
23.0
人材育成・教育、人材への配慮
3
11.5
経営手法の良さ
4
15.4
独自性・独特の視点
3
11.5
確実な計画性
1
3.9
失敗に負けない精神力
4
15.4
ハイコストに対する危惧
3
11.5
地域性の考慮
1
3.9
その他
1
3.9
合  計
26
100.0
※複数回答のため、各選択肢の件数の合計は対象件数を上回る
 「社長さんの迫力に圧倒された。一代で会社を育て上げた自信と失敗を恐れない精神力、また、失敗を冷静に分析する謙虚さを兼ね備えた素晴らしい人物に見て取れた。」 [滋賀建機]、「今後の事業展開において、ターゲットを高齢者と定め、それをよく研究され、身の丈に叶った形で守備範囲を徐々に拡大されている。非常にクレーバーかつ慎重な経営姿勢には感服させられた。」[北川建設] 、との声が寄せられたように、「熱意・意欲・前向きな姿勢」(合計14件)に心を動かされた事業所が多い結果となった。
 「経営手法の良さ」(合計10件)、「社員にやる気を出させる方針が大いに参考になりました。」との「人材への教育、配慮、必要性」(合計6件)、「確実な計画性」(合計5件)は、いずれも新分野進出する上でポイントになるものである。 
 Q2.視察先を通じて、企業経営に生かそうと思う事柄
北川建設
感  想
件数
熱意・意欲・前向きな姿勢
3
18.8
人材育成・教育、人材への配慮
1
6.2
経営手法の良さ
4
25.0
独自性・独特の視点
2
12.5
確実な計画性
3
18.8
失敗に負けない精神力
0
0.0
情報収集能力の高さ
1
6.2
その他
2
12.5
合  計
16
100.0
※複数回答のため、各選択肢の件数の合計は対象件数を上回る

●滋賀建機
感  想
件数
熱意・意欲・前向きな姿勢
5
38.5
人材育成・教育、人材への配慮
4
30.7
経営手法の良さ
1
7.7
独自性・独特の視点
1
7.7
確実な計画性
0
0.0
失敗に負けない精神力
1
7.7
情報収集能力の高さ
0
0.0
その他
1
7.7
合  計
13
100.0

※複数回答のため、各選択肢の件数の合計は対象件数を上回る

 「失敗を恐れず、確かな戦略調査とビジョンをもとに新規事業に着手する行動力・積極性」[滋賀建機]、「トップの仕事に対する考え方がしっかりしていることが必要」 [北川建設] との意見に見られるように、経営者の熱意・意欲・前向きな姿勢(合計8件)を今後の企業経営に生かしたいと考えている事業所が最も多かった。
 続いて、「経営手法の良さ」、「人材育成・教育、人材への配慮」(各5件)を挙げている事業所が多く、経営手法の良さについては、「社会の必要とすることを社業にうまく取り入れるシステム作り」[北川建設]、「失敗を恐れず、確かな戦略調査とビジョンをもとに新規事業に着手する行動力、積極性」[滋賀建機]を見習いたいとの意見が、また、人材育成・教育、人材への配慮については「社員とよく話し合い、理解と目的を明確にする姿勢が大切と再認識致しました」[滋賀建機]、「社員教育の意味(意義)を伝える。そして、社員一致団結できれば未来は見えてくる」[滋賀建機]との意見に見られるように今後より強く求められる傾向にあるといえる。

 Q3.ご意見・ご要望
 率直な意見が寄せられました。以下はその一部です。
 「今後とも先進地視察事業を続けて頂きたい。大変お世話になりました」
 「いろいろお世話になりました。今後の会社運営に参考になりました」
 「言葉には、なりませんが、会社が一丸となり日々努力されている熱意が、体で感じ取ることができました。何かに生かしたいものだと思っております。有意義な視察でした」
 「大変有意義な視察をさせて頂きました。ぜひ次回も参加できればと思います。お世話になりまして、ありがとうございました」
 「二日間たいへんお世話になりました。今年の視察は去年と比べて格段に有意義なものでありました。心より御礼申し上げます」
 「楽しく実りあるある視察でした。欲を言えば、せっかく一泊するから、もう一、二ヶ所の視察先があるとよかった」
 「有意義な企画、そして、いろいろお世話を頂きありがとうございました」
 「今後の会社運営について、いろいろと参考になり関係者の方々のご協力に感謝致します。また、同行された各会社の責任者の皆さんと貴重な話をする事ができ、有意義な研修でありました。ありがとうございました」

 〜アンケート集計を終えて〜

 アンケートの対象となった視察先は、滋賀県守山市の北川建設と滋賀県愛知郡の滋賀建機である。北川建設は、訪問介護・居宅介護住宅改修・デイサービスなど介護ビジネスへの参入、滋賀建機は、バイオと太陽光発電で環境ビジネス参入している。共に建設業から新分野進出を果たしたとして、全国でも注目されている企業である。
 視察参加の皆様の表現には、熱意・意欲・前向きな姿勢、といった言葉で意思表示されていますが、その中身は「顧客満足の理念」に沿って育成された社員が社長を頂点として、一つになって事業に立ち向かうことが最も大切なことと受け止められたと強く感じました。
 今回の視察が参加企業の皆様方に、新分野進出に向けて何らかの解決へのきっかけになるよう願っています。

5.視察研修後記
 この度の視察に同行し、長引く不況の中とはいえ、視察に参加された企業の皆様方の視察によせられる期待の大きさを強く感じました。
 視察先、北川建設の北川社長は、平成15年度からは公共事業から一切手を引き、新分野である介護ビジネスと建設業との両立で経営に自信がついたと晴れやかに話されました。
 この成功の秘訣は経営戦略等もさることながら“顧客満足の理念”(お客様の立場に立って仕事をする)この理念に沿った人造りにあるとうけとめました。
 又、“滋賀建機”の蔭山会長はバイオと太陽光発電等多数の異業種への進出をされ、沢山の失敗もされたとのことですが、現在では多くの新分野で成功され、この厳しい環境のなかでも、今期も利益計上出来ると胸を張っておられました。
 蔭山会長も成功の秘訣は‘人造り’とのことでした。
 以上の研修から、新分野進出成功のキーワードは“顧客満足の理念に沿った人造り”となるようであります。
 県下の建設業の皆様が“顧客満足の理念に沿った人造り”をいち早くなされ、揃って多角化で、雇用の維持、創出がなされますよう強く願っています。

参考資料
●「新分野へ挑戦する建設業」 東洋経済新報社
 〒103-8345 東京都中央区日本橋本石町1-2-1
 TEL 編集 03-3246-5551 販売 09-3246-5467
  編著者 米田 雅子 氏